前回の記事では「ヴィーガンとは何か?」について紹介しました。まだ見てない方は是非前回の記事をご覧ください。
今回はシンガポールでのヴィーガン事情に関してご紹介していきたいと思います!
シンガポールでのヴィーガン

前回もご紹介した通り「ヴィーガン」という言葉はイギリスの英国ヴィーガン協会が発祥。現在でもやはりイギリスやアメリカといった欧米圏の方が盛んな状況です。実際ニューヨークに在住の友人に聞いてもヴィーガンのお店は結構見かけるということでした。
シンガポールはトレンドフォロワーの国。日本や韓国、欧米圏で流行っているものは積極的に取り込む印象でヴィーガンのお店や商品なんかもここ数年で徐々に見かけるようになっています。ですがシンガポールではもともと宗教上の理由でベジタリアンの方がいたりして、中華系やインド系のレストランやホーカーのストールにはベジタリアンのお店がちらほらあります。「素食」と書いた軒先の看板よく見ますよね。


これらは「ベジタリアン」のお店なのでヴィーガンとは少し違いますが、ベジタリアンレストランとして営業していてヴィーガンのメニューも出したりしている、というところも存在します。
ここ数年でシンガポールのヴィーガン市場は140%増加したと言われていて国民の約7%が自分はヴィーガンもしくはベジタリアンだと考えているようです。実は東南アジアでは台湾の台北に次いで2番目のヴィーガン都市なんですね。それでもまだまだヴィーガン料理を提供していないお店の方が圧倒的に多いのが実情です。
スーパーで買えるヴィーガン
シンガポールのスーパーでもヴィーガンのための代替肉などが販売されています。ある程度広さがあるスーパーだといろんな種類のものが販売されているので今回はその一部ごを紹介します。
Beyond Meat

代替肉ブランド二大巨頭の一つ、アメリカ生まれのBeyond Meat(ビヨンドミート)。中国ではスターバックスやKFCといったチェーンとタッグを組み順調に拡大を進めています。
もう一つ有名な代替肉ブランドと言えばImpossible Foodsですが私が行ったFairpriceでは販売されていませんでした。他の店舗では販売があったので店舗によって置いてるものが違うみたいですね。
代替肉というと大豆を使ったソイミートがぱっと頭に浮かぶ方も多いかと思いますが、Beyond MeatはNO SOYということで大豆も不使用。代わりに使っているのはエンドウ豆ベースのものなんです。実は食べ物でのアレルギーの約90%が8種類の食べ物から発症していると言われていて、その中の一つに大豆が含まれているのです。他には牛乳、卵、ピーナッツ、木の実、小麦、魚、甲殻類があります。そのためBeyond Meatは大豆ではなく、エンドウ豆を使った代替肉を製造しています。


ひき肉のほかにもパテやソーセージなんかが販売されていました。価格はひき肉で19.95ドル、パテが9.95ドル、ソーセージが14.95ドル。やはり普通のお肉コーナーで販売しているお肉よりかは少し割高な印象です。
Meat Zero

初めて見た代替肉のブランド、Meat Zero(ミートゼロ)。調べてみるとタイのチャロン・ポカパンフーズ(CPF)という食品大手ブランドが出した代替肉のブランドのようでした。2022年にアジアトップの代替肉ブランドにするという目標を掲げているようで、同じアジアの国として応援したくなります。パテのほかにナゲットなんかも販売されています。
Quorn

Quorn(クォーン)はイギリス生まれの代替肉ブランド。Quornの製品が何でできているかというと、大豆でもエンドウ豆でもなくマイコプロテイン(Mycoprotein)というもの。キノコ由来の物質ということで、代替肉と言っても色々あるんだなと考えさせられます。

実食!
Moving Mountains

今回購入した代替肉のブランドはMoving Mountains(ムービングマウンテンズ)というブランド。Moving Mountainsもイギリスの代替肉ブランドです。私が行ったFairpriceではMoving Mountains専用の冷蔵庫が置かれていて、品ぞろえがかなり豊富でした。

ということで今回はMoving Mountainsのソーセージを購入。価格は4本で13.95ドルなので日本円で約1,000円ちょっと。

ちょっとびっくりしたのが、箱を開けるとそのままソーセージが出てきたこと。見た目はちょっと葉巻の様にも見えるのですが果たして味はどうなのか。。

見た目、香りは完全にソーセージ。少しハーブが効いた香りで食欲をそそります。この時点ではお肉らしさほぼ100点。

ただ焼いてから2-3分放置していると表面がかなり乾燥してきました。上の写真でわかりますでしょうか?ちょっとパサついた感じ。やはり本物のソーセージに比べジューシーさという点では劣るのかなというのが印象。食感は本物のソーセージに比べ少し柔らかいですが想像してたよりはお肉感を感じました。
ちなみに後日パスタの具材として、ソーセージを炒めてみたのですがその際はかなり食感が柔らかくなってしまいソーセージらしさが失われてしまいました。おそらくシンプルにフライパンで焼いて食べるのが一番おいしさを感じる食べ方なのかなと思います。
NEXT CURRY

次はこちら。ドンドンドンキで販売されているNEXT CURRYです。日本発の代替肉開発スタートアップである「NEXT MEATS」が出しているカレーで、他にもこちらの企業からは「NEXTカルビ」や「NEXT牛丼」などが出ていて、これからが非常に楽しみな日系企業。シンガポールではAburi-ENや焼肉ライクでの取り扱いがあったりしてその勢いはこれからも増していくんじゃないでしょうか。

箱を開けるとレトルトカレーが一袋入っています。内容量は平均的なレトルトカレーの量より若干少なめの170gですので食べ盛りの方には少し足りないかも。

今回は代替肉がカレーに絡まっているのでどんな相乗効果があるかというのが気になる点でした。一口目、まず口に運んで思った最初の感想が、「ルーがめちゃおいしい。。。」でした。正直代替肉に注目していたのでカレーのルーのおいしさは驚きでした。
気になるお肉の感想ですが、テクスチャーは「じっくり煮込んだカレーのお肉」というイメージ。牛肉ブロックのようなバウンシーな感覚はないものの、煮込んでトロっとしたお肉のような食感でいい感じでした。そしてルーのおいしさに相まってうま味が口に押し寄せてきました。
一つネックなのがやはり価格で一食S$7.50。まだまだ代替肉の周知、購入までいっている方が少なく研究段階でもあるため価格は少し割高感が否めません。もっともっと代替肉の良さなどが知れ渡って、価格的にも通常のお肉と変わらないくらいになればいいなと思いました。
Vegan Burg

最後に紹介するのがVegan Burgというお店。サンフランシスコ発のヴィーガンバーガーのお店なんですが、なんと世界には現在サンフランシスコとシンガポールにしかありません。しかも場所はMRT東西線のEunos駅から徒歩約10分という少し変わった場所。おそらくイーストには欧米系の方が多いからでしょうか。以前はMarinaエリアにあったみたいですね。

今回はイートインではなくデリバリーにてオーダー。フードプレゼンテーションが綺麗で食欲をそそる見た目。

まずはこちらのAvocado Beetroot。Vegan Burgの看板メニューの一つ。こちらのバーガーのパテはチキンを模したクリスピーな食感となっていて、パテにはおそらくキノコなどが含まれていました(違っていたらすいません)。正直チキンの味とは全然違うものでしたが、バーガー自体かなりボリューミーで食べ応え満点でした。

もう一つオーダーしたのがこちらのSmokey BBQ。こちらは見た目もかなりビーフに近いパテとなっていました。食感はコンニャク?少しぷにぷにした食感があり弾力がある印象でした。BBQソースとチーズがかかっていたので代替肉自体の味はがっつり入ってこなかったですが、こちらもバーガーとしてしっかり完成された一品。

サイドメニューには上のポテトとこちらのブロッコリーをオーダー。ブロッコリーはシンプルな塩味の味付けでおいしかったです。ハンバーガーの付け合わせにブロッコリーなんて健康的だなー、と思いながら完食しました。
ちなみにバーガーのセットを2セットオーダーし、デリバリーフィー抜きでS$33.60でした。他のお洒落なハンバーガー屋さんで食べるともう少し値段がするのでコスパ的にもかなり満足です。
最後に

今までしっかりと考えてこなかったヴィーガンというものに始めて触れてみました。代替肉もあまり食べたことがなかったのですが、私個人的にはお肉じゃないと言われなければ気づかないんじゃないかな、と思うものが多かったです。これから研究が進みもっとお肉に近い味や価格になっていくのでは、と期待しています。
このコロナ禍で様々な消費者行動に変化が起きました。食生活もその一つで、このタイミングでヴィーガンやベジタリアンに変わる方が世界的に増加しています。もちろんこの記事を読んていただいた方にヴィーガンになって!とは言いませんし、自分も正直ヴィーガンになることはしばらくはないとは思うのですが、いま世界で起きている問題を事実ベースで把握し、どう行動していくべきなのか考えるきっかけになればなと思います。またいいヴィーガンフードがあれば挑戦してみようと思います!
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